もっぱら問題解決を追求する短期療法、ブリーフセラピー
目前の問題に集中することによって短期間で結果をだしていこうとするセラピーとして、ブリーフセラピー(Solution-Focused Brief Therapy, SFBT、略してブリーフセラピー)があります。
問題解決志向
もっぱら問題解決に焦点を絞る療法で、その主な特徴は以下の通りです。
(1)過去に遡って問題の原因分析をするのではなく、現在と未来に焦点をあてる
(2)クライエントが現在すでに出来ていることを評価し、敬意をはらう
(3)そのすでに出来ていることを踏まえて、未来にむけて一歩づつ進む
現在に焦点をあてるという点ではゲシュタルトセラピー、プロセスワーク、認知療法、対人関係療法と同じです。
質問技法
ブリーフセラピーで使われる質問技法としては、
①ミラクル・クエスチョン(Miracle Question)
②スケーリング・クエスチョン(Scaling Question)
の2つが有名です。
質問の具体例をあげると:
(1)ミラクル・クエスチョンの例
「ある日目が覚めたらあなたはスーパーマンになっていました。そしたらあなたはまず何をしますか?」
「 もしも一晩眠っている間に奇跡が起こってすべての問題が解決していたとしたら、その翌朝会社に出社したあなたはどんな行動をとると思いますか?」
(2)スケーリング・クエスチョンの例
「あなたの今の不安は1〜10の数字で表すといくつぐらいですか?(仮に答え、7点として) ではその7点を5点まで下げるにはどんな方法が考えられますか?」
「あなたの試験の結果は10点満点の5点です。6点ならば合格なのでもう少しです。1点上げるためにあなたならどんな手を打ちますか?」、
不安やつらさなどを数値化・客観化することによって問題に前向きに取り組むことができるようになります。
ブリーフセラピーは、不安や辛さの原因を追求しなくても実施できるので、カウンセリングの時間が限られているような時にはたいへん効果的で便利な方法です。